情熱の国スペインで880kmを歩く旅にでたら、最高の思い出と友人ができた話

1情熱の国スペインで880kmを歩く旅にでたら、最高の思い出と友人ができた話 (1)

2017年5月27日、スペイン東西を横断する880kmの道のりを歩く巡礼旅にでました。

なぜこんな苦行とも思われる旅にでたのかというと、映画「The way」がきっかけです。息子を巡礼路で亡くしてしまった60代の父親が、息子の果たせなかった思いを叶えようと880kmの道のりを歩くという内容で、スペインの大自然を自分と対話しながら歩き、ときに一緒に歩く仲間と食事や歌ったりして絆を深めるシーンが最高の映画です。

この映画を観た当時、東京のマーケティング会社にいました。職場にも恵まれ、年に数回は海外旅行へ行けたので、一般的にはそこそこ満足いく生活でしたが、入社直後から「この生活はなんか求めていたものと違う」という違和感を抱えていました。大げさに言うと、自分を騙しながら生活しているみたいな感覚です。「辞めたいな」と何度か思いましたが、次にやることが決まっていなかったので、結局辞めることはできず、ずるずる時間ばかり過ぎてしまいました。

そんな状況でこの作品を観たので「うじうじ迷っているのは時間の無駄! 次にやりたいことが見つからないなら巡礼路を歩きながら探せばいい。 とにかく行動しよう!」と決意し、映画を観た2ヶ月くらいで退社し、東京の家も引き払って、スペインに飛んでいました。

情熱の国スペインで880kmを歩く旅にでたら、最高の思い出と友人ができた話

巡礼中はこのマークを目印に進んでいく

この記事を書く理由

「いまの環境を変えたいけど、次にやることが決まっていないから抜け出せない」という人は多いんじゃないでしょうか。そして、そういう人ほど毎日を楽しめていない傾向があるように思えます。残念なことに日本は先進国の中でも自殺率が上位で、幸福度ランキングも低いので、客観的にみても生きづらい社会だと思います。だけどスペインやイタリアなんかは日本よりもっと国の財政状況が悪く、失業率も高いですが、楽しそうに生活しています。スペイン巡礼路には世界中から老若男女が集まり、何かしら悩みを抱えている人が多いです。そんな人たちと出会い、一緒に歩いていくと彼らの悩みとの付き合い方、楽しく生きるコツみたいなものが見えてきます。

そして、歩き終わったときに自分にとって大切なものを気づかせてくれます。880kmを歩くには約1ヶ月程度かかりますが、いろんな出来事や考えごと、いろんな人と話します。ぼくが思うに、いつもと違う環境かつ極限状態になることで、自分が好きなこと、大切なことが自然と見えてくるんだと思います。

巡礼の旅が終われば日本社会に戻ってこないといけないんですが、それでもそのコツがわかれば日本でも逞しく生きていけると思います。

「巡礼とは生まれ変わること。新しい自分を見つけられる。きっとあなたにも奇跡が起こる」
パウロ・コエーリョ

情熱の国スペインで880kmを歩く旅にでたら、最高の思い出と友人ができた話

一面に広がる小麦畑

スペイン巡礼とは?

スペイン巡礼とは、キリスト教の聖地であるサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路のことを指します。ちょうど四国のお遍路さんver.スペインみたいなものです。距離は全長880kmに及び、およそ1ヶ月ちょっとかかります。本来はキリスト教徒のための路ですが、異教徒にも開かれていて、最近だと20万人以上の人が路を歩きます。歩く人の多くは欧米圏ですが、南米やアジアからも増えています。

情熱の国スペインで880kmを歩く旅にでたら、最高の思い出と友人ができた話

巡礼中に仲良くなったアメリカ人のグループ

スペイン巡礼でよかったこと

①大自然の中を歩き、規則正しい生活を送る

スペイン巡礼では美しい山々、壮大な小麦畑、牧場、ワイン畑の中を進みます。
美しい自然と触れ合いながら歩くと、本来持っている人間としての感覚を取り戻してくれる気がします。さらに、そこに規則正しい生活が加わるので、歩くいて体力は消費しているんだけど心身元気になり、見た目も引き締まっていきます。

②悩みがなくなるのは嘘だけど、ほとんどなくなる

歩いて最初の3日間は足がマメだらけになったり、足が攣ったりして日本での悩みを気にしている暇なんかありません。そこから日数を経ていくと、巡礼者の仲間ができて彼らの話を聞いたり、時に深いテーマについて話し合うと自分の幸せについて考えたりします。そして、大自然の中で歩いているとふと自分の悩みなんか大したことがないなと思えてしまいます。

③日本という国をいろんな角度から見れる

巡礼中は本当に多くの人に出会えます。国籍、年齢、職種がバラバラですが、日本に対して興味を示してくれる人が多いです。彼らからの質問や印象から日本という国を多面的に見ることができ、それが自分の理解にもつながったりもします。

ぼくのオランダ人の友人は一度日本に遊びに来たこともあり、親日でした。でもその子から日本人の傾向も踏まえて、「あなたの幸せはあなたしか生み出せないのよ。人のことは気にしなくていいの。まずは自分が幸せにならないと、他の人にも幸せを分けてあげられないでしょ?」と言われた時はその通りだなと思い、日本人の周りの目を気にしすぎる性質は時にあまり良くないなと思いました。

情熱の国スペインで880kmを歩く旅にでたら、最高の思い出と友人ができた話

ひたすら道を進む

スペイン巡礼を歩いてみて

一言で言うと、とても楽しくて最高の人生の思い出ができました。
実は、巡礼前は「自分の将来について考える時間を設けるために歩く」と言って旅にでましたが、終わってみたら毎日「新しい友人と出会い、一緒に歩いて、話して、ふざけて、昼から飲んで、食べまくって、寝る」という日々でした。おかげさまで毎日楽しすぎて逆に心配したくらいです。そのことを人に話すと「これがあなたの巡礼旅なのよ」と言われ、吹っ切れました。

人生が人それぞれのように、スペイン巡礼も「見るもの・感じるもの・経験すること」が人によって違います。だけど一つ言えることは、巡礼路を通じて自分が好きなこと・大切にしていものは見えてくると思います。

ぼくは今回旅の途中から、オランダ人とルクセンブルクの女の子と3人でほぼ毎日一緒に過ごしてきました。彼らとは本当に仲良くなり、旅が終わった後も交流しています。小さい頃、「世界中にたくさん友達の家があり、いつでも遊びに行ける」そんな生活に憧れていましたが、いまその夢の実現に向けたことを仕事にすることにしました。

そして最後に、80歳にもなるテキサス出身のエイブから1歩ずつ自分のペースで進む大切さを学んだので、これから先の見えない本当の路を楽しみながら進んでいきたいと思います。

情熱の国スペインで880kmを歩く旅にでたら、最高の思い出と友人ができた話

自分の中にある捨てたい事柄を願いながら故郷の石を置くと、それを捨て去ることができるらしい

コメントを残す